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名古屋を拠点に独自のエレクトロニクスな活動を続けるabentis、自身のレーベルより第一弾のアナログ盤。
ネオ・エレクトロニカ最前線をいくabentisによる渾身のアルバム。
民族楽器もキラキラした使い方でナイスグルーヴなです。
配置&リズムのバランス感覚、最高のDEEP気持ちよさ◎
https://2ppn.bandcamp.com/album/dim-grow
(track list)
1.Separate 06:39
2.In Memories 09:07
3.Far Enough 06:37
4.Lune 06:28
5.Eachpath 07:05
6.Circulation 05:19
UKのレーベル・Wisdom Teethが最新コンピレーションアルバム『nagoyaka na kaze / 和やかな風 (quiet wind)』でスポットを当てた日本の街・名古屋から、同コンピレーションをシーンの中心人物としてFacta & K-LONEとともにキュレーションしたabentisによるレーベル「2++」が始動。名古屋の地下電子音楽の一端をアナログレコードで世界へ紹介するシリーズの第一弾として、abentisによる初のアルバム作品『Dim Grow』が生まれた。
本作では、瑞々しく弾けるマリンバやカリンバのような響きでありながら、同時にどこか現実離れした印象を与える、Ableton Liveの物理モデリングシンセによる緻密な電子マレットサウンドが全編にわたりフィーチャーされている。静寂の中、ガラスと金属の狭間にある澄んだ響きが、微かな温度差とともに揺れ動くような、独自の質感が本作の核となっている。
彼と同世代でWisdom TeethファミリーでもあるK-LONE、Tristan Arp、Salamandaといった面々のサウンドと通じ合いながら、独自の奇妙さを持つこのサウンドのルーツには、彼の最も強い影響源であるYMO・細野晴臣が1975-1978年にリリースした「トロピカル三部作」の存在がある。1976年の横浜中華街でのライブで細野がマリンバとボーカルを担当したことに象徴されるように、ここではマリンバがサウンドの中心に位置し、マーティン・デニーやハワイアン音楽に着想を得た想像上のエキゾチックな風景を構築するための主要な楽器として機能していた。
また、地元のJazzバー勤務を経てhiphopのビートメイカーとして活動してきた背景を持つabentisにとって、ジャズやR&Bの骨格である“テンションコード”という、明るさと暗さの狭間にある曖昧な和音の響きは、本作全体を通して一貫した語法となっている。
「マレット+テンションコード」という本作のテーマの背後には、いくつもの音楽的系譜が横たわっている。ジャズのテンションを先取りしたドビュッシーの和声感覚、エリック・サティのプロト・ミニマリズム精神、スティーヴ・ライヒのマリンバ中心の構造、日本の Mkwaju Ensemble(高田みどり、プロデュースは久石譲)による継承、そしてそこから派生したポストロック、エレクトロニカ、アンビエントの諸派である。
カウンターカルチャーとしてのパンク/ヒップホップのシーンにルーツを持ちながら、創造的精神が重視される工業都市・名古屋で育ったことは、これらの先人たちに対する abentis の親和性を自然と育んだ。異なるジャンルの狭間での活動を通して、Wisdom Teeth 周辺で育まれてきた高度にクロスポリネイトされた音楽観との出会いは、彼自身の音楽言語が結晶化する枠組みを与えた。『Dim Grow』は、その旅路の自然な帰結として生まれた作品なのである。
(レーベル・インフォメーション)
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